損保数理 第1章 損害保険料率の基礎と営業保険料の問題
損保数理の第1章「損害保険料率の基礎と営業保険料」の問題 8問です。本番と同じ空欄補充・多肢選択の形式で、空欄ごとに(A)(B)…の記号を選びます。正解と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは記号を選ぶと自動採点され、間違えた問題を復習できます。本文は第1章の参考書にあります。
参考書 第1章に対応します。問題1.1・1.2・1.4は本試験の問題1・問題2で毎年のように出る型なので、最初に解いてください。問題1.6と問題1.8は、本試験の問題2・問題3と同じく、前の空欄の結果を使って先へ進む誘導問題です。
問題 1.1 S 必修目安 6分
ある保険種目の予定料率構成割合と直近年度の実績値は、次の表のとおりであった。
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予定損害率 & 60% & 元受正味保険料 & 800
予定社費率 & 20% & アーンド保険料 & 780
予定代理店手数料率 & 15% & 支払保険金 & 420
利潤率 & 5% & インカード保険金 & 456
& & 社費 & 172
& & 代理店手数料 & 124
損害率法により営業保険料の料率改定率を求める。信頼度(クレディビリティ係数)は0.7、利潤率は5%とし、社費率と代理店手数料率は直近年度の元受正味保険料に対する実績値を用いる。
料率改定率に最も近いものは ① である。また、改定後の営業保険料に占める損害率(改定後の予定損害率)に最も近いものは ② である。
[①の選択肢]
- (A)\(-0.8\%\)
- (B)\(-0.4\%\)
- (C)\(0.0\%\)
- (D)\(0.4\%\)
- (E)\(0.8\%\)
- (F)\(1.2\%\)
- (G)\(1.6\%\)
- (H)\(2.0\%\)
- (I)\(2.4\%\)
- (J)\(2.8\%\)
[②の選択肢]
- (A)\(57.1\%\)
- (B)\(57.4\%\)
- (C)\(57.7\%\)
- (D)\(58.0\%\)
- (E)\(58.3\%\)
- (F)\(58.6\%\)
- (G)\(58.9\%\)
- (H)\(59.2\%\)
- (I)\(59.5\%\)
- (J)\(59.8\%\)
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①(F)②(E)
① 実績損害率はアーンド・インカードで \(A=456/780\approx0.584615\) です。信頼度0.7で予定損害率0.60と加重すると \[\lambda'=0.7\times0.584615+0.3\times0.60\approx0.589231 .\] 実績社費率は \(\varepsilon'=172/800=0.215\)、実績代理店手数料率は \(\theta'=124/800=0.155\) なので \[\text{料率改定率}=\frac{\lambda'+\varepsilon'}{1-(\theta'+\delta)}-1=\frac{0.589231+0.215}{1-(0.155+0.05)}-1=\frac{0.804231}{0.795}-1\approx0.0116 .\] 信頼度を使わずに \(A\) をそのまま使うと約0.6%で(D)、社費率・代理店手数料率をアーンド保険料で割ると約2.4%で(I)です。
② 新営業保険料は旧営業保険料の \(1.0116\) 倍で、保険金に充てる額は旧営業保険料の \(\lambda'\) 倍なので \[\frac{\lambda'}{1+\text{料率改定率}}=\frac{0.589231}{1.011612}\approx0.5825 .\] 割らずに \(\lambda'\) のままとすると約58.9%で(G)です。同様に新しい社費率は \(0.215/1.011612\approx0.2125\) で、\(0.5825+0.2125+0.155+0.05=1\) となり、料率構成割合の合計が1に戻ることを確かめられます。
損害率はアーンド・インカード、社費率・手数料率はリトン。新しい構成割合は「実額÷新保険料」。
類題の過去問:2025-問1(1)ア、2023-問2(2)ウ
問題 1.2 S 必修目安 8分
保険期間1年の保険種目について、当年度(4月〜翌年3月)の保険料データとクレームデータが次のとおりである。
| 前年度末の未経過保険料 | 70 |
| 当年度の計上保険料 | 260 |
| 当年度末の未経過保険料 | 80 |
| クレーム | 事故発生 | 経過 |
|---|---|---|
| 1 | 前年度 | 前年度末に支払備金50を計上。当年度に65を支払い、支払完了。 |
| 2 | 前年度 | 前年度末に支払備金30を計上。当年度末に支払備金を20に修正。 |
| 3 | 当年度 | 当年度に25を支払い、当年度末に支払備金35を計上。 |
| 4 | 当年度 | 当年度に40を支払い、支払完了。 |
| 5 | 前年度 | 当年度に初めて報告を受け、当年度に15を支払い、支払完了。 |
| 6 | 当年度 | 翌年度に初めて報告を受けた(当年度末には支払備金の計上なし)。 |
当年度のリトンベーシス損害率に最も近いものは ①、会計年度統計ベースのアーンドベーシス損害率に最も近いものは ②、会計年度-事故年度統計ベースのアーンドベーシス損害率に最も近いものは ③ である。
[①②③共通の選択肢]
- (A)\(38\%\)
- (B)\(40\%\)
- (C)\(42\%\)
- (D)\(44\%\)
- (E)\(46\%\)
- (F)\(48\%\)
- (G)\(50\%\)
- (H)\(52\%\)
- (I)\(54\%\)
- (J)\(56\%\)
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①(J)②(F)③(B)
当年度のペイドロス(事故の時期を問わず当年度に支払った額)は \(145\) です(\(65+25+40+15\))。
① リトンベーシス損害率は \(145/260\approx55.8\%\) です。
② アーンドプレミアムは \(70+260-80=250\)、会計年度統計のインカードロスは \[\underbrace{(20+35)}_{\text{当年度末支払備金}}+\underbrace{145}_{\text{ペイド}}-\underbrace{(50+30)}_{\text{前年度末支払備金}}=120\] なので、損害率は \(120/250=48.0\%\) です。分母をリトンの260とすると約46.2%で(E)です。
③ 当年度に発生した事故はクレーム3・4・6ですが、6は当年度末時点で報告も備金計上もないので数えられません(IBNR)。インカードロスは \(25+35+40=100\) で、損害率は \(100/250=40.0\%\) です。クレーム5(前年度の事故)まで含めると \(115/250=46.0\%\) で(E)です。
会計年度-事故年度統計は「事故発生日」で仕分け、当年度の事故の支払と期末備金だけを足す。
類題の過去問:2024-問2(2)、2020-問1Ⅰ、2018-問2Ⅲ
問題 1.3 A 頻出目安 5分
保険期間1年の契約だけを扱う保険種目で、月ごとの計上保険料が次のとおりであった(年度は4月〜翌年3月)。
前年度:4月〜翌年3月の各月とも20
当年度:4月〜9月の各月25、10月〜翌年3月の各月30
当年度のアーンドプレミアムを12分の1法(すべての契約が毎月末日に引き受けられたとする)で計算した値に最も近いものは ①、24分の1法(すべての契約が毎月の半ばに引き受けられたとする)で計算した値に最も近いものは ② である。
[①の選択肢]
- (A)262
- (B)264
- (C)266
- (D)268
- (E)270
- (F)272
- (G)274
- (H)276
- (I)278
- (J)280
[②の選択肢]
- (A)270
- (B)272
- (C)274
- (D)276
- (E)278
- (F)280
- (G)282
- (H)284
- (I)286
- (J)288
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①(G)②(E)
4月を1、3月を12とする \(k\) 月目の契約について、当年度に経過する割合を足し上げます。
① 12分の1法では、前年度の \(k\) 月目の契約は当年度に \(k/12\)、当年度の \(k\) 月目の契約は \((12-k)/12\) が経過します。 \[\begin{aligned} \text{前年度契約分}&=20\times\frac{1+2+\dots+12}{12}=20\times\frac{78}{12}=130,\\ \text{当年度契約分}&=25\times\frac{11+10+9+8+7+6}{12}+30\times\frac{5+4+3+2+1+0}{12}\\ &=106.25+37.5=143.75 \end{aligned}\] より、\(130+143.75=273.75\) です。
② 24分の1法では、前年度の \(k\) 月目の契約は \((2k-1)/24\)、当年度の \(k\) 月目の契約は \((25-2k)/24\) が当年度に経過します。 \[\begin{aligned} \text{前年度契約分}&=20\times\frac{1+3+\dots+23}{24}=20\times\frac{144}{24}=120,\\ \text{当年度契約分}&=25\times\frac{23+21+19+17+15+13}{24}+30\times\frac{11+9+7+5+3+1}{24}\\ &=112.5+45=157.5 \end{aligned}\] より、\(120+157.5=277.5\) です。2分の1法なら \(0.5\times240+0.5\times330=285\) で、契約が年度後半に増えている分だけ大きく出ます。
12分の1法は月末引受、24分の1法は月の半ばに引受。当年度契約の割合は「年度末までの残り月数」。
類題の過去問:2019-問2Ⅱ(2)
問題 1.4 S 必修目安 7分
ある保険種目について、次の条件がある。
| 契約の始期・保険期間 | すべて4月1日(年度初)、保険期間1年 |
| 契約件数の増加率 | 毎年3% |
| 事故頻度の増加率 | 毎年4% |
| 保険金の支払パターン | 件数で、事故発生年度内に60%、翌年度に40%(各事故の保険金は1度に支払う) |
| 支払単価 | インフレーションの影響を除いた単価の比は(発生年度内):(翌年度)\(=1:2.5\) |
| インフレーション率 | 毎年5%(保険金の支払年度に応じて発現する) |
当年度始期契約に基づき支払われる保険金の事故1件あたり平均支払額を \(D_1\)、当年度に支払われる保険金の事故1件あたり平均支払額を \(D_2\) とする。このとき、\(D_1\div D_2-1\) に最も近いものは ① である。
[①の選択肢]
- (A)\(3.7\%\)
- (B)\(3.9\%\)
- (C)\(4.1\%\)
- (D)\(4.3\%\)
- (E)\(4.5\%\)
- (F)\(4.7\%\)
- (G)\(4.9\%\)
- (H)\(5.1\%\)
- (I)\(5.3\%\)
- (J)\(5.5\%\)
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①(F)
前年度始期契約の事故件数を \(c\)、前年度に発生年度内で支払う1件の額を \(u\) とします。当年度始期契約の事故件数は、契約件数と頻度の増加で \(1.03\times1.04\,c=1.0712\,c\) です。支払の価格水準は支払年度ごとに1.05倍になります。
| 当年度に支払 | 翌年度に支払 | |
|---|---|---|
| 前年度始期契約 | \(0.4c\) 件、1件 \(2.5u\times1.05\) | — |
| 当年度始期契約 | \(0.6\times1.0712c\) 件、1件 \(u\times1.05\) | \(0.4\times1.0712c\) 件、1件 \(2.5u\times1.05^2\) |
当年度始期契約の平均(表の下の行)は \[D_1=0.6\times1.05\,u+0.4\times2.5\times1.05^2\,u=(0.63+1.1025)\,u=1.7325\,u .\] 当年度の支払(表の「当年度に支払」の列)の平均は、\(0.6\times1.0712=0.64272\) より \[D_2=\frac{0.4\times2.625+0.64272\times1.05}{0.4+0.64272}\,u=\frac{1.05+0.674856}{1.04272}\,u\approx1.65419\,u .\] したがって \(D_1/D_2-1\approx1.7325/1.65419-1\approx0.0473\) です。
契約件数の増加を見落として事故件数の伸びを頻度の4%だけとすると約4.0%で(C)です。\(D_1\) と \(D_2\) を取り違えて \(D_2/D_1-1\) とすると、選択肢にない負の値(約\(-4.5\%\))になります。
支払年度×契約年度の表を作り、件数(契約×頻度)と単価(重さ×インフレ)を別々に書き込む。
類題の過去問:2025-問1(1)イ、2017-問1Ⅴ
問題 1.5 A 頻出目安 6分
ある保険種目(保険期間1年、一括払)で、次の料率改定・補償変更を行った。年度は4月〜翌年3月で、各契約年度の契約は年間を通じて一様に始まり、改定以外の契約内容は同一で、同じ時期の契約には1件あたり一律の保険料が適用される。インフレーションは考慮しない。
2023年10月1日:保険料率を8%引上げ
2025年4月1日:補償拡大(保険料率を5%引上げ、保険金は6%増加)
各契約年度の実績は次のとおりである。
| 契約年度 | 契約件数 | 保険料 | 保険金 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 4,000 | 416,000 | 280,000 |
| 2024年度 | 5,000 | 540,000 | 330,000 |
| 2025年度 | 6,000 | 680,400 | 420,000 |
直近(2025年度)の料率水準・補償範囲に基づく、2023〜2025年度契約の3か年通算の損害率に最も近いものは ① である。
[①の選択肢]
- (A)\(60.2\%\)
- (B)\(60.7\%\)
- (C)\(61.2\%\)
- (D)\(61.7\%\)
- (E)\(62.2\%\)
- (F)\(62.7\%\)
- (G)\(63.2\%\)
- (H)\(63.7\%\)
- (I)\(64.2\%\)
- (J)\(64.7\%\)
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①(F)
2023年4月時点の料率を1とすると、現行の料率水準は \(1.08\times1.05=1.134\) です。
保険料の修正:2023年度契約は、10月1日より前の半分が旧料率1、後の半分が1.08なので、平均の料率水準は \(0.5\times1+0.5\times1.08=1.04\) です。2024年度契約はすべて1.08です。 \[\begin{aligned} 2023\text{年度}&:\ 416{,}000\times\frac{1.134}{1.04}=453{,}600,\qquad 2024\text{年度}:\ 540{,}000\times\frac{1.134}{1.08}=567{,}000,\\ 2025\text{年度}&:\ 680{,}400\quad(\text{合計}\ 1{,}701{,}000). \end{aligned}\] いずれも1件あたり \(113.4\) になり、現行料率で引き受けた場合の保険料になっています。
保険金の修正:補償拡大前の2023・2024年度契約の保険金は1.06倍します。 \[(280{,}000+330{,}000)\times1.06+420{,}000=646{,}600+420{,}000=1{,}066{,}600 .\] よって損害率は \[\frac{1{,}066{,}600}{1{,}701{,}000}\approx62.7\%\] です。保険金の修正を忘れると約60.6%で(B)、2023年度契約をすべて旧料率とみて \(1.134\) 倍すると約62.0%で(E)です。
保険料は「現行料率÷当時の料率」を掛け、保険金は補償の変更割合を掛けて、現行ベースにそろえる。
類題の過去問:2018-問1Ⅰ、2016-問2Ⅰ
問題 1.6 S 必修目安 12分
保険期間1年の契約の予定料率構成割合(営業保険料に対する割合)は、予定損害率55%、予定新契約費率12%、予定維持費率10%、予定代理店手数料率18%、利潤率5%である。この商品の保険期間4年の長期一時払契約の営業保険料を、次の前提で算出する。
純保険料と維持費は毎年同額。新契約費は初保険年度のみ、維持費は全保険年度に支出する。
代理店手数料と利潤は長期一時払契約の営業保険料に比例し、率は1年契約と同じとする。
予定利率は1%で、各保険年度の支出はその保険年度初にすべて支払われる。
必要であれば、\(v=1/1.01\) として \(1+v+v^2+v^3=3.94099\)、\(1+v=1.99010\)、\(1.03/1.01=1.019802\)、\(1.02/1.01=1.009901\) を用いなさい。
この契約の長期係数は ① である。
この契約が第2保険年度末に解約となったときの未経過料率係数は ② である。
この長期一時払契約を(1)の長期係数で引き受けた後、第2保険年度以降、クレーム頻度が毎年度3%ずつ(第2保険年度は第1保険年度の1.03倍、第3保険年度は\(1.03^2\)倍、…)、維持費が毎年度2%ずつ上昇した。クレーム単価と新契約費は予定どおりとすると、この契約の実際の利潤率(利潤の現価÷営業保険料)は ③ である。
[①の選択肢]
- (A)3.40
- (B)3.42
- (C)3.44
- (D)3.46
- (E)3.48
- (F)3.50
- (G)3.52
- (H)3.54
- (I)3.56
- (J)3.58
[②の選択肢]
- (A)0.40
- (B)0.42
- (C)0.44
- (D)0.46
- (E)0.48
- (F)0.50
- (G)0.52
- (H)0.54
- (I)0.56
- (J)0.58
[③の選択肢]
- (A)\(-0.6\%\)
- (B)\(-0.2\%\)
- (C)\(0.2\%\)
- (D)\(0.6\%\)
- (E)\(1.0\%\)
- (F)\(1.4\%\)
- (G)\(1.8\%\)
- (H)\(2.2\%\)
- (I)\(2.6\%\)
- (J)\(3.0\%\)
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①(E)②(E)③(G)
1年契約の営業保険料を \(P\) とし、純保険料率 \(p=0.55\)、新契約費率 \(\alpha=0.12\)、維持費率 \(\beta=0.10\)、代理店手数料率 \(\theta=0.18\)、利潤率 \(\delta=0.05\) とします。
① 収支相等 \(KP=P\alpha+P(\beta+p)\adue_{\angl{4}}+KP(\theta+\delta)\) より \[K=\frac{\alpha+(\beta+p)\,\adue_{\angl{4}}}{1-(\theta+\delta)}=\frac{0.12+0.65\times3.94099}{1-0.23}=\frac{2.681644}{0.77}\approx3.4827 .\] 割引を忘れて \(\adue_{\angl{4}}\) を4とすると約3.53で(H)です。
② 第2保険年度末の経過期間は2年で、残りは2年です。 \[U_2=\frac{(\beta+p)\,\adue_{\angl{2}}}{\alpha+(\beta+p)\,\adue_{\angl{4}}}=\frac{0.65\times1.99010}{2.681644}=\frac{1.293565}{2.681644}\approx0.4824 .\] 分子にも新契約費率を入れると約0.527で(G)です。新契約費は初年度に支出済みなので、未経過保険料には含めません。
③ 第 \(t+1\) 保険年度(\(t=0,1,2,3\))初の支出は、純保険料が \(p\times1.03^t P\)、維持費が \(\beta\times1.02^t P\) です。現価の和は \[\begin{aligned} \sum_{t=0}^{3}(1.03v)^t&=1+1.019802+1.019802^2+1.019802^3\approx4.120388,\\ \sum_{t=0}^{3}(1.02v)^t&=1+1.009901+1.009901^2+1.009901^3\approx4.059799 . \end{aligned}\] 代理店手数料は営業保険料 \(KP\) の18%で変わりません。支出の現価の合計(\(P\) を単位とする)は \[\begin{aligned} &0.12+0.55\times4.120388+0.10\times4.059799+0.18\times3.4827\\ &\approx0.12+2.26621+0.40598+0.62688=3.41907 . \end{aligned}\] 利潤の現価は \(3.48265-3.41907\approx0.06358\) で、営業保険料に対する割合は \(0.06358/3.48265\approx1.83\%\) です。予定の5%から、上昇トレンドの分だけ利潤が削られています。
長期係数=支出の現価\(/(1-\theta-\delta)\)。未経過料率係数の分子に新契約費なし。
類題の過去問:2019-問1Ⅰ、2022-問2(1)
問題 1.7 A 頻出目安 6分
ある保険の損害額 \(X\)(万円)は、平均40万円の指数分布に従う。この保険の免責金額なしの場合の純保険料は1件あたり6,000円で、付加保険料は、定額1,000円と、純保険料の10%と、営業保険料の20%から成る。この保険に免責金額10万円(エクセス方式)を導入する。免責金額の導入によってクレーム頻度は変わらないものとする。必要であれば \(\ee^{-0.25}=0.7788\) を用いなさい。
免責金額の導入による純保険料の割引率に最も近いものは ①、営業保険料の割引率に最も近いものは ② である。
[①の選択肢]
- (A)\(19.6\%\)
- (B)\(20.1\%\)
- (C)\(20.6\%\)
- (D)\(21.1\%\)
- (E)\(21.6\%\)
- (F)\(22.1\%\)
- (G)\(22.6\%\)
- (H)\(23.1\%\)
- (I)\(23.6\%\)
- (J)\(24.1\%\)
[②の選択肢]
- (A)\(17.2\%\)
- (B)\(17.7\%\)
- (C)\(18.2\%\)
- (D)\(18.7\%\)
- (E)\(19.2\%\)
- (F)\(19.7\%\)
- (G)\(20.2\%\)
- (H)\(20.7\%\)
- (I)\(21.2\%\)
- (J)\(21.7\%\)
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①(F)②(E)
① 指数分布(平均 \(\mu=40\))では \(\P(X>x)=\ee^{-x/40}\) なので \[\E[\min(X,10)]=\int_0^{10}\ee^{-x/40}\dd x=40\,(1-\ee^{-0.25})\approx8.848 .\] 純保険料の割引率は \(\E[\min(X,10)]/\E[X]=1-\ee^{-0.25}\approx0.2212\) です。
② 免責導入前の営業保険料は \((1{,}000+1.1\times6{,}000)/(1-0.2)=7{,}600/0.8=9{,}500\)円、導入後は純保険料が \(6{,}000\times0.7788=4{,}672.8\)円になるので \[\frac{1{,}000+1.1\times4{,}672.8}{0.8}=\frac{6{,}140.1}{0.8}\approx7{,}675\ \text{円}.\] 割引率は \(1-7{,}675/9{,}500\approx0.1921\) です。公式 \(G=\{(1+c_1)p/(c_0+(1+c_1)p)\}\,g=(6{,}600/7{,}600)\times0.2212\) でも同じ値になります。定額部分1,000円は免責で減らないので、営業保険料の割引率は純保険料の割引率より小さくなります。定額部分を無視すると①と同じ約22.1%で、選択肢の範囲を外れます。
純保険料の割引率は \(\E[\min(X,d)]/\E[X]\)。定額の付加保険料があると営業保険料の割引率はそれより小さい。
類題の過去問:2016-問1Ⅰ
問題 1.8 S 必修目安 15分
ある自動車保険の観察期間の実績と現行料率は次のとおりである。
| 経過台数 | 25,000台 | 現行の営業保険料(1台) | 20,000円 |
| 保険金支払件数 | 1,250件 | 現行の予定損害率 | 60% |
| インカードロス(修正後) | 312,500千円 | 実績社費(1台あたり) | 3,700円 |
| 実績代理店手数料率 | 17% |
インカードロスはロス・ディベロプメント・ファクターで修正済みである。平均クレーム額には毎年3%の指数トレンドがあり、観察期間の中央から新料率の適用期間の中央までは2年である。クレーム頻度にトレンドはない。計算の途中で端数処理は行わない。
トレンド修正前の実績純保険料(1台あたり)は ① である。
トレンドファクターで修正した実績純保険料は ② である。
信頼度を0.8として、(2)の実績純保険料と現行の予定純保険料から求めた改定純保険料は ③ である。
(3)の改定純保険料に、1台あたりの実績社費、実績代理店手数料率、利潤率5%を織り込んだ新しい営業保険料は ④ である。
[①の選択肢]
- (A)11,500円
- (B)11,700円
- (C)11,900円
- (D)12,100円
- (E)12,300円
- (F)12,500円
- (G)12,700円
- (H)12,900円
- (I)13,100円
- (J)13,300円
[②の選択肢]
- (A)12,700円
- (B)12,900円
- (C)13,100円
- (D)13,300円
- (E)13,500円
- (F)13,700円
- (G)13,900円
- (H)14,100円
- (I)14,300円
- (J)14,500円
[③の選択肢]
- (A)12,200円
- (B)12,400円
- (C)12,600円
- (D)12,800円
- (E)13,000円
- (F)13,200円
- (G)13,400円
- (H)13,600円
- (I)13,800円
- (J)14,000円
[④の選択肢]
- (A)20,400円
- (B)20,600円
- (C)20,800円
- (D)21,000円
- (E)21,200円
- (F)21,400円
- (G)21,600円
- (H)21,800円
- (I)22,000円
- (J)22,200円
正解と解説を見る
①(F)②(D)③(E)④(F)
① クレーム頻度は \(1{,}250/25{,}000=0.05\)、平均クレーム額は \(312{,}500\)千円\(/1{,}250=250{,}000\)円なので \[\text{実績純保険料}=0.05\times250{,}000=12{,}500\ \text{円}\] です(インカードロス÷経過台数と同じ)。
② 平均クレーム額を2年分の指数トレンドで修正します。 \[12{,}500\times1.03^2=12{,}500\times1.0609=13{,}261.25\ \text{円}.\] 1年分だけ掛けると12,875円で(B)です。
③ 予定純保険料は現行の営業保険料×予定損害率で \(20{,}000\times0.60=12{,}000\)円です。 \[\text{改定純保険料}=13{,}261.25\times0.8+12{,}000\times0.2=10{,}609+2{,}400=13{,}009\ \text{円}.\] 信頼度を逆に(実績に0.2)掛けると約12,252円で(A)、トレンド修正前の12,500円を使うと12,400円で(B)です。
④ 社費は実額で分子に、代理店手数料と利潤は営業保険料に比例するので分母に入れます。 \[P'=\frac{13{,}009+3{,}700}{1-(0.17+0.05)}=\frac{16{,}709}{0.78}\approx21{,}422\ \text{円}.\] 社費まで \(0.78\) で割らずに \(13{,}009/0.78+3{,}700\) とすると約20,378円で(A)です。現行の20,000円に対する改定率は約\(+7.1\%\) です。
頻度×平均額→トレンド→信頼度で加重→\((r'+e')/(1-\theta'-\delta)\)。
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