年金数理 第1章 年金数理の基礎と計算基礎率の問題

年金数理の第1章「年金数理の基礎と計算基礎率」の問題 8問です。本番と同じ空欄補充・多肢選択の形式で、空欄ごとに(A)(B)…の記号を選びます。正解と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは記号を選ぶと自動採点され、間違えた問題を復習できます。本文は第1章の参考書にあります。

参考書 第1章に対応します。問題1.1・1.3・1.5は本試験の問題1で繰り返し出る型です。最初に解いてください。問題1.8は、計算基数を組み立てて保険料率まで求める長めの誘導問題です。

問題 1.1 S 必修目安 6分

静態的昇給率の給与指数 \(b_x\) が \[b_x=\begin{cases}1 & (x\le20)\\ 1+k\,(x-20) & (x>20)\end{cases}\qquad(k>0)\] である制度がある。給与が230,000円である20歳の被保険者について、動態的昇給率に基づいて将来の給与を予測したところ、28歳時点の給与は414,700円、36歳時点の給与は669,200円であった。ベース・アップ等の要因による昇給率を \(r\) とし、\(x\) 歳の静態的昇給率 \(R_x\) を基礎とする動態的昇給率は \((1+R_x)(1+r)-1\) とする。

このとき、\(r\) に最も近いものは ①、\(k\) に最も近いものは ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(0.020\)
  2. (B)\(0.021\)
  3. (C)\(0.022\)
  4. (D)\(0.023\)
  5. (E)\(0.024\)
  6. (F)\(0.025\)
  7. (G)\(0.026\)
  8. (H)\(0.027\)
  9. (I)\(0.028\)
  10. (J)\(0.029\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(0.040\)
  2. (B)\(0.045\)
  3. (C)\(0.050\)
  4. (D)\(0.055\)
  5. (E)\(0.060\)
  6. (F)\(0.065\)
  7. (G)\(0.070\)
  8. (H)\(0.075\)
  9. (I)\(0.080\)
  10. (J)\(0.085\)
正解と解説を見る

①(F)②(E)

20歳から \(y\) 歳までに、静態的昇給の部分は \(b_y/b_{20}=b_y\) 倍、ベース・アップの部分は \((1+r)^{y-20}\) 倍になります。\(u=(1+r)^8\)、\(s=8k\) とおくと、\(b_{28}=1+s\)、\(b_{36}=1+2s\) なので \[(1+s)\,u=\frac{414{,}700}{230{,}000}\approx1.80304,\qquad (1+2s)\,u^2=\frac{669{,}200}{230{,}000}\approx2.90957 .\] 第1式の2乗 \((1+s)^2u^2\approx3.25096\) で第2式を割って \(u\) を消去すると \[\frac{(1+s)^2}{1+2s}=\frac{3.25096}{2.90957}\approx1.11733 \quad\Longleftrightarrow\quad s^2-0.23466\,s-0.11733=0 .\] \(s>0\) の解は \(s\approx0.4794\) なので \(k=s/8\approx0.0599\)。さらに \(u=1.80304/1.4794\approx1.21876\) より \[r=u^{1/8}-1=\sqrt{\sqrt{\sqrt{u}}}-1\approx0.0250 .\] 検算として \(r=0.025\)、\(k=0.06\) を代入すると \[230{,}000\times1.48\times1.025^8\approx414{,}744,\qquad 230{,}000\times1.96\times1.025^{16}\approx669{,}215\] で、問題の数値と一致します。

未知数が \(r\) と \(k\) の2つなら、2時点で2本の式。\((1+r)^{n}\) を1つの文字でおき、比をとって消去する。

類題の過去問:2025-問1(1)、2012-問(2)

問題 1.2 A 頻出目安 6分

ある制度の静態的昇給率 \(R_x\) は、\(20\le x<35\) で \(R_x=0.04\)、\(35\le x<60\) で \(R_x=0.02\) である。給与が200,000円である20歳の被保険者の45歳時点の給与を予測する。

静態的昇給率のみで予測した45歳時点の給与に最も近いものは ① である。また、ベース・アップ等の要因による昇給率を、今後10年間は年1%、その後は年2%と見込み、動態的昇給率 \((1+R_x)(1+r)-1\) で予測した45歳時点の給与に最も近いものは ② である。必要であれば、\(1.04^{15}=1.80094\)、\(1.02^{10}=1.21899\)、\(1.01^{10}=1.10462\)、\(1.02^{15}=1.34587\) を用いなさい。

[①の選択肢]

  1. (A)400,000円
  2. (B)410,000円
  3. (C)420,000円
  4. (D)430,000円
  5. (E)440,000円
  6. (F)450,000円
  7. (G)460,000円
  8. (H)470,000円
  9. (I)480,000円
  10. (J)490,000円

[②の選択肢]

  1. (A)540,000円
  2. (B)570,000円
  3. (C)600,000円
  4. (D)630,000円
  5. (E)660,000円
  6. (F)690,000円
  7. (G)720,000円
  8. (H)750,000円
  9. (I)780,000円
  10. (J)810,000円
正解と解説を見る

①(E)②(E)

① 20〜35歳の15年間は毎年1.04倍、35〜45歳の10年間は毎年1.02倍なので \[200{,}000\times1.04^{15}\times1.02^{10}\approx200{,}000\times1.80094\times1.21899\approx439{,}068\ \text{円}.\] ② ベース・アップは最初の10年(20〜30歳)が1.01倍、残りの15年(30〜45歳)が1.02倍ずつかかります。 \[439{,}068\times1.01^{10}\times1.02^{15}\approx439{,}068\times1.10462\times1.34587\approx652{,}752\ \text{円}.\] ベース・アップ率の切り替えを静態的昇給率の切り替え(35歳)と取り違えて \(1.01^{15}\times1.02^{10}\) とすると約621,000円で(D)、25年間すべて2%とすると約720,000円で(G)です。

静態的昇給は年齢で、ベース・アップは経過年数で切り替わる。

類題の過去問:2021-問1(1)

問題 1.3 S 必修目安 5分

平均余命が \(\eo{x}=0.8\,(100-x)\ (0\le x\le100)\) であるとする。ただし \[\eo{x}=\frac{1}{l_x}\int_x^{100}l_y\dd y\] であり、\(l_x\) は \(x\) について微分可能とする。

このとき、死力 \(\mu_x\) を表す式は ① である。また、\(l_0=100{,}000\) のとき、\(l_x=80{,}000\) となる \(x\) に最も近いものは ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{100-x}\)
  2. (B)\(\dfrac{5}{4(100-x)}\)
  3. (C)\(\dfrac{1}{5(100-x)}\)
  4. (D)\(\dfrac{1}{4(100-x)}\)
  5. (E)\(\dfrac{1}{2(100-x)}\)
  6. (F)\(\dfrac{9}{4(100-x)}\)
  7. (G)\(\dfrac{4}{100-x}\)
  8. (H)\(\dfrac{4}{5(100-x)}\)

[②の選択肢]

  1. (A)55歳
  2. (B)56歳
  3. (C)57歳
  4. (D)58歳
  5. (E)59歳
  6. (F)60歳
  7. (G)61歳
  8. (H)62歳
  9. (I)63歳
  10. (J)64歳
正解と解説を見る

①(D)②(E)

① \(\eo{x}\,l_x=\int_x^{100}l_y\dd y\) の両辺を \(x\) で微分すると \[\Bigl(\frac{\dd}{\dd x}\eo{x}\Bigr)l_x+\eo{x}\frac{\dd l_x}{\dd x}=-l_x \quad\Longrightarrow\quad \mu_x=-\frac{1}{l_x}\frac{\dd l_x}{\dd x}=\frac{1+\frac{\dd}{\dd x}\eo{x}}{\eo{x}} .\] \(\frac{\dd}{\dd x}\eo{x}=-0.8\) なので \[\mu_x=\frac{1-0.8}{0.8\,(100-x)}=\frac{1}{4\,(100-x)} .\] (B)は平均余命の逆数 \(1/\eo{x}=5/\{4(100-x)\}\) をそのまま死力としたときの値です。死力が一定のときに限り \(\mu=1/\eo{x}\) が成り立ちます。

② \(\int_0^x\frac{\dd y}{4(100-y)}=\frac14\log\frac{100}{100-x}\) より \[l_x=l_0\Bigl(\frac{100-x}{100}\Bigr)^{1/4}.\] \(l_x/l_0=0.8\) とおくと \((100-x)/100=0.8^4=0.4096\) より、\(x=59.04\) です。

\(\eo{x}=c(\omega-x)\) なら \(l_x=l_0\bigl((\omega-x)/\omega\bigr)^{(1-c)/c}\)。導出は「微分して死力、積分して \(l_x\)」。

類題の過去問:2025-問1(3)、2021-問1(4)

問題 1.4 A 頻出目安 5分

ある集団の死力は、\(40\le x<60\) で \(\mu_x=0.01\)、\(x\ge60\) で \(\mu_x=0.04\) である。

40歳の者が70歳まで生存する確率 \({}_{30}p_{40}\) に最も近いものは ①、40歳の平均余命 \(\eo{40}\) に最も近いものは ② である。必要であれば、\(\ee^{-0.2}=0.81873\)、\(\ee^{-0.4}=0.67032\) を用いなさい。

[①の選択肢]

  1. (A)\(0.40\)
  2. (B)\(0.45\)
  3. (C)\(0.50\)
  4. (D)\(0.55\)
  5. (E)\(0.60\)
  6. (F)\(0.65\)
  7. (G)\(0.70\)
  8. (H)\(0.75\)
  9. (I)\(0.80\)
  10. (J)\(0.85\)

[②の選択肢]

  1. (A)35.5年
  2. (B)36.5年
  3. (C)37.5年
  4. (D)38.5年
  5. (E)39.5年
  6. (F)40.5年
  7. (G)41.5年
  8. (H)42.5年
  9. (I)43.5年
  10. (J)44.5年
正解と解説を見る

①(D)②(D)

① \({}_tp_x=\exp\bigl(-\int_0^t\mu_{x+s}\dd s\bigr)\) で、死力の積分は \(0.01\times20+0.04\times10=0.6\) なので \[{}_{30}p_{40}=\ee^{-0.6}=\ee^{-0.2}\times\ee^{-0.4}\approx0.81873\times0.67032\approx0.5488 .\] ② 余命を60歳の前と後に分けます。60歳以降の部分は、60歳まで生存する確率 \({}_{20}p_{40}=\ee^{-0.2}\) と、死力0.04のもとでの平均余命 \(1/0.04=25\) の積です。 \[\eo{40}=\int_0^{20}\ee^{-0.01t}\dd t+\ee^{-0.2}\times\frac{1}{0.04} =\frac{1-\ee^{-0.2}}{0.01}+25\,\ee^{-0.2}\approx18.127+20.468=38.60 .\] 後半に \(\ee^{-0.2}\) を掛け忘れると \(18.13+25=43.13\) で(I)、前半を20年としてしまうと \(20+20.47=40.47\) で(F)になります。

死力が区分的に一定なら、余命を区間ごとに分け、後ろの区間には「そこまで生存する確率」を掛ける。

類題の過去問:2013-問(6)、2018-問2(1)①

問題 1.5 S 必修目安 6分

次の二重脱退残存表の一部について、空欄を補って考える。脱退(生存脱退・死亡脱退)は1年を通じて一様に発生するものとする。

年齢 \(x\) 残存数 \(\lT{x}\) 生存脱退数 \(\dw{x}\) 死亡脱退数 \(\ddth{x}\) \(\qw{x}\) \(\qd{x}\)
30 50,000 0.0400 0.0012
31 4,800
32 43,082

31歳の死亡脱退率 \(\qd{31}\) に最も近いものは ① であり、31歳における生存脱退後の死亡も考慮した死亡率 \(q_{31}\) に最も近いものは ② である。

[①②共通の選択肢]

  1. (A)\(0.00115\)
  2. (B)\(0.00117\)
  3. (C)\(0.00119\)
  4. (D)\(0.00121\)
  5. (E)\(0.00123\)
  6. (F)\(0.00125\)
  7. (G)\(0.00127\)
  8. (H)\(0.00129\)
  9. (I)\(0.00131\)
  10. (J)\(0.00133\)
正解と解説を見る

①(D)②(G)

30歳の脱退数は \(\dw{30}=50{,}000\times0.04=2{,}000\)、\(\ddth{30}=50{,}000\times0.0012=60\) なので \[\lT{31}=50{,}000-2{,}000-60=47{,}940 .\] 31歳の死亡脱退数は \(\ddth{31}=\lT{31}-\dw{31}-\lT{32}=47{,}940-4{,}800-43{,}082=58\) です。

① \(\qd{31}=58/47{,}940\approx0.001210\)。

② 生存脱退者は平均して半年在籍するので、分母から生存脱退数の半分を引きます。 \[q_{31}=\frac{\ddth{31}}{\lT{31}-\frac12\dw{31}}=\frac{58}{47{,}940-2{,}400}=\frac{58}{45{,}540}\approx0.001274 .\] 分母から \(\dw{31}\) を全部引くと \(58/43{,}140\approx0.001344\) となり、選択肢の範囲を外れます。

生存脱退後の死亡も含めるなら、分母は \(\lT{x}-\frac12\dw{x}\)。

類題の過去問:2013-問(2)、2018-問1(1)

問題 1.6 A 頻出目安 6分

\(A,B,C\) を脱退事由とする三重脱退残存表がある。各脱退は互いに独立で、それぞれ単独では1年を通じて一様に発生する。\(x\) 歳の各事由の単独の脱退残存表における脱退率を \(q^{A*}_x,q^{B*}_x,q^{C*}_x\)、三重脱退残存表における脱退率を \(q^{A}_x,q^{B}_x,q^{C}_x\) とする(以下、添字 \(x\) を省略する)。\(q^{A}\) を表す式は ① である。また、\(q^{A*}=0.08\)、\(q^{B*}=0.03\)、\(q^{C*}=0.005\) のとき、\(x\) 歳の在職者10,000人のうち1年間に(事由を問わず)脱退する人数に最も近いものは ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(q^{A*}\bigl(1-q^{B*}\bigr)\bigl(1-q^{C*}\bigr)\)
  2. (B)\(q^{A*}\Bigl(1-\dfrac{q^{B*}+q^{C*}}{2}\Bigr)\)
  3. (C)\(q^{A*}\Bigl(1-\dfrac{q^{B*}+q^{C*}}{2}+\dfrac{q^{B*}q^{C*}}{3}\Bigr)\)
  4. (D)\(q^{A*}\Bigl(1-\dfrac{q^{B*}+q^{C*}}{2}+\dfrac{q^{B*}q^{C*}}{2}\Bigr)\)
  5. (E)\(q^{A*}\Bigl(1-\dfrac{q^{B*}+q^{C*}}{2}-\dfrac{q^{B*}q^{C*}}{3}\Bigr)\)
  6. (F)\(q^{A*}\Bigl(1-\dfrac{q^{B*}+q^{C*}}{3}+\dfrac{q^{B*}q^{C*}}{2}\Bigr)\)

[②の選択肢]

  1. (A)1,100人
  2. (B)1,110人
  3. (C)1,120人
  4. (D)1,130人
  5. (E)1,140人
  6. (F)1,150人
  7. (G)1,160人
  8. (H)1,170人
  9. (I)1,180人
  10. (J)1,190人
正解と解説を見る

①(C)②(C)

① 事由 \(B\) だけが働くとき、時刻 \(t\ (0\le t\le1)\) までに脱退する確率は \(t\,q^{B*}\) です(一様分布)。事由が独立なので、時刻 \(t\) まで \(B\) でも \(C\) でも脱退していない確率は \((1-t\,q^{B*})(1-t\,q^{C*})\) で、その瞬間に \(A\) で脱退する確率密度は \(q^{A*}\) です。 \[q^{A}=\int_0^1 q^{A*}\,(1-t\,q^{B*})(1-t\,q^{C*})\dd t =q^{A*}\Bigl(1-\frac{q^{B*}+q^{C*}}{2}+\frac{q^{B*}q^{C*}}{3}\Bigr).\] \(\int_0^1t\dd t=1/2\)、\(\int_0^1t^2\dd t=1/3\) が係数の出どころです。(A)は1年の初めに他の事由をすべて済ませてしまう計算で、脱退が一様に起こることを反映していません。

② どの事由でも脱退しない確率は、単独の残存率の積 \((1-q^{A*})(1-q^{B*})(1-q^{C*})=0.92\times0.97\times0.995\approx0.887938\) です。よって脱退者数は \[10{,}000\times(1-0.887938)\approx1{,}121\ \text{人}.\] ①の式で \(q^{A}\approx0.078604\)、\(q^{B}\approx0.028729\)、\(q^{C}\approx0.004729\) を求めて足しても、同じ \(0.112062\) になります。単独の脱退率を単純に足すと \(0.115\)、すなわち1,150人で(F)となり、重なりを数えすぎます。

総脱退率は \(1-\prod(1-q^{j*})\)。事由別の率は残存確率を掛けて積分する。

類題の過去問:2020-問1(2)

問題 1.7 A 頻出目安 5分

ある脱退残存表と予定利率 \(i\) による計算基数について、\(D_x=15{,}000.0\)、\(D_{x+1}=14{,}632.4\)、\(\pT{x}=0.9950\) である。予定利率 \(i\) に最も近いものは ① である。また、\(N_{x+1}=290{,}000.0\) のとき、\(x\) 歳の期初払終身年金現価率 \(\adue_x\) に最も近いものは ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)1.6%
  2. (B)1.8%
  3. (C)2.0%
  4. (D)2.2%
  5. (E)2.4%
  6. (F)2.6%
  7. (G)2.8%
  8. (H)3.0%
  9. (I)3.2%
  10. (J)3.4%

[②の選択肢]

  1. (A)18.8
  2. (B)19.1
  3. (C)19.4
  4. (D)19.7
  5. (E)20.0
  6. (F)20.3
  7. (G)20.6
  8. (H)20.9
  9. (I)21.2
  10. (J)21.5
正解と解説を見る

①(C)②(F)

① \(D_{x+1}/D_x=v\,l_{x+1}/l_x=v\,\pT{x}\) なので \[v=\frac{D_{x+1}}{D_x\,\pT{x}}=\frac{14{,}632.4}{15{,}000.0\times0.9950}\approx0.98040,\qquad i=\frac1v-1\approx0.0200 .\] 残存率を無視した \(D_x/D_{x+1}-1\approx2.5\%\) は、(E)と(F)の間にある紛らわしい誤答です。

② \(N_x=D_x+N_{x+1}\) なので \[\adue_x=\frac{N_x}{D_x}=1+\frac{N_{x+1}}{D_x}=1+\frac{290{,}000.0}{15{,}000.0}\approx20.33 .\] \(N_{x+1}/D_x\approx19.33\) は期末払の \(a_x\) で、(C)を選んでしまいます。

\(D_{x+1}/D_x=v\,p_x\)、\(\adue_x=N_x/D_x=1+a_x\)。基数の比を確率と割引に読み替える。

問題 1.8 S 必修目安 15分

現在55歳の被保険者について、次の制度を考える(ベース・アップは見込まない)。

  • 定年年齢は60歳。60歳に到達したとき(59歳の年度末)に、59歳時の給与の2倍の一時金を支給する。定年前に脱退した者には給付はない。

  • 定年前の脱退(死亡を含む)の脱退率は各年齢一律 \(0.06\) で、脱退は年度末に発生する。

  • \(x\) 歳の給与は給与指数 \(b_x=1+0.04\,(x-55)\) に比例する(55歳の給与を1とする)。

  • 保険料は給与に対する一定率 \(P\) を、在職中の毎年度初に払い込む。予定利率は2.0%。

必要であれば、\(\rho=0.94/1.02\) の累乗の値 \(\rho=0.921569\)、\(\rho^2=0.849289\)、\(\rho^3=0.782678\)、\(\rho^4=0.721291\)、\(\rho^5=0.664719\) を用いなさい。

  1. この被保険者が60歳に到達する確率は ① である。

  2. 一時金の、55歳時点の現価(55歳の給与を1とする)は ② である。

  3. 55歳から59歳までの給与の、55歳時点の現価(給与現価)は ③ である。

  4. この被保険者について収支が相等する保険料率 \(P\) は ④ である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(0.62\)
  2. (B)\(0.64\)
  3. (C)\(0.66\)
  4. (D)\(0.68\)
  5. (E)\(0.70\)
  6. (F)\(0.72\)
  7. (G)\(0.74\)
  8. (H)\(0.76\)
  9. (I)\(0.78\)
  10. (J)\(0.80\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(1.40\)
  2. (B)\(1.45\)
  3. (C)\(1.50\)
  4. (D)\(1.55\)
  5. (E)\(1.60\)
  6. (F)\(1.65\)
  7. (G)\(1.70\)
  8. (H)\(1.75\)
  9. (I)\(1.80\)
  10. (J)\(1.85\)

[③の選択肢]

  1. (A)\(4.1\)
  2. (B)\(4.2\)
  3. (C)\(4.3\)
  4. (D)\(4.4\)
  5. (E)\(4.5\)
  6. (F)\(4.6\)
  7. (G)\(4.7\)
  8. (H)\(4.8\)
  9. (I)\(4.9\)
  10. (J)\(5.0\)

[④の選択肢]

  1. (A)\(0.26\)
  2. (B)\(0.28\)
  3. (C)\(0.30\)
  4. (D)\(0.32\)
  5. (E)\(0.34\)
  6. (F)\(0.36\)
  7. (G)\(0.38\)
  8. (H)\(0.40\)
  9. (I)\(0.42\)
  10. (J)\(0.44\)
正解と解説を見る

①(G)②(D)③(F)④(E)

脱退残存表は \(\lT{55+t}=\lT{55}\times0.94^t\) で、計算基数は \(D_{55+t}/D_{55}=(0.94\,v)^t=\rho^t\) です。

① 55歳から59歳までの5回の年度末の脱退をすべて免れた者が60歳に到達するので、確率は \(\lT{60}/\lT{55}=0.94^5\approx0.7339\) です。

② 一時金は5年後に \(2b_{59}=2\times1.16=2.32\) を支払うので、残存確率と割引を掛けて \[2.32\times\frac{D_{60}}{D_{55}}=2.32\,\rho^5=2.32\times0.664719\approx1.542 .\] 最終給与を \(b_{60}=1.20\) とすると約1.595で(E)、割引を忘れると約1.703で(G)です。

③ 給与は55〜59歳の各年度初に \(b_{55+t}\) で、\(t\) 年度初まで残存する確率と割引の積は \(\rho^t\) です。 \[\begin{aligned} \sum_{t=0}^{4}b_{55+t}\,\rho^t&=1+1.04\times0.921569+1.08\times0.849289+1.12\times0.782678+1.16\times0.721291\\ &\approx1+0.95843+0.91723+0.87660+0.83670=4.5890 . \end{aligned}\] 基数で書けば \(\sum_{y=55}^{59}b_yD_y/D_{55}\) です。残存を無視して \(\sum b_{55+t}1.02^{-t}\) とすると約5.18、割引を忘れると約4.77で(H)です。

④ 収支相等の原則より、保険料収入の現価 \(P\times4.5890\) と一時金の現価 \(1.542\) が等しいので \[P=\frac{1.542}{4.5890}\approx0.336 .\] 給与指数を無視して給与を一定(③が \(\sum\rho^t\approx4.275\))とすると、約0.361で(F)です。この \(P\) は、第6章で扱う個人平準保険料方式の保険料率の最も簡単な例です。

給付現価も給与現価も「金額 \(\times D_y/D_x\)」の和。保険料率はその比。

類題の過去問:2017-問1(2)、2025-問1(4)

アクチュアリー一次試験 合格ナビ
アプリなら、空欄ごとに記号を選ぶ本番と同じ形式で問題を解いて自動採点し、間違えた問題を受験日に合わせて出し直します。電卓と、180分の模擬試験も使えます。

アプリで学ぶ有料版 3,980円