数学 第1章 確率の基礎の問題

数学の第1章「確率の基礎」の問題 7問です。本番と同じ空欄補充・多肢選択の形式で、空欄ごとに(A)(B)…の記号を選びます。正解と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは記号を選ぶと自動採点され、間違えた問題を復習できます。本文は第1章の参考書にあります。

参考書 第1章に対応します。問題1.1・1.3・1.7は毎年出る型です。最初に解いてください。

問題 1.1 S 必修目安 5分

箱Aには赤玉3個と白玉2個、箱Bには赤玉2個と白玉3個が入っている。サイコロを1回投げて1か2の目なら箱Aを、それ以外なら箱Bを選び、選んだ箱から玉を2個同時に取り出す。

2個とも赤玉である確率は ① である。また、2個とも赤玉であったとき、選んだ箱が箱Aである条件付き確率は ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{10}\)
  2. (B)\(\dfrac{2}{15}\)
  3. (C)\(\dfrac{3}{20}\)
  4. (D)\(\dfrac{1}{6}\)
  5. (E)\(\dfrac{17}{75}\)
  6. (F)\(\dfrac{7}{30}\)
  7. (G)\(\dfrac{1}{4}\)
  8. (H)\(\dfrac{4}{15}\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{6}\)
  2. (B)\(\dfrac{3}{10}\)
  3. (C)\(\dfrac{1}{3}\)
  4. (D)\(\dfrac{2}{5}\)
  5. (E)\(\dfrac{1}{2}\)
  6. (F)\(\dfrac{3}{5}\)
  7. (G)\(\dfrac{2}{3}\)
  8. (H)\(\dfrac{3}{4}\)
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①(D)②(F)

箱の選択で場合分けします(全確率の公式)。箱Aを選ぶ確率は \(1/3\)、箱Bは \(2/3\) です。2個同時に取り出すので非復元抽出です。 \[\P(\text{赤赤}\cond A)=\frac{\binom{3}{2}}{\binom{5}{2}}=\frac{3}{10},\qquad \P(\text{赤赤}\cond B)=\frac{\binom{2}{2}}{\binom{5}{2}}=\frac{1}{10}.\] したがって \[\P(\text{赤赤})=\frac13\cdot\frac{3}{10}+\frac23\cdot\frac{1}{10}=\frac{3}{30}+\frac{2}{30}=\frac16 .\] ベイズの定理より、分子は箱Aを通る枝の確率 \(1/10\) なので \[\P(A\cond\text{赤赤})=\frac{1/10}{1/6}=\frac35 .\] ①の(E)\(17/75\) は、玉を戻しながら取り出す(復元抽出)と誤解したときの値です。「同時に取り出す」は非復元抽出です。

条件付き確率の分母は「観測された結果に至る枝の合計」。樹形図で考える。

類題の過去問:2021-問1(1)、2024-問1(1)

問題 1.2 A 頻出目安 6分

5人がそれぞれ自分の帽子を預け、帰りに5つの帽子が無作為に1つずつ返される。自分の帽子を受け取る人が少なくとも1人いる確率は ① であり、自分の帽子を受け取る人がちょうど2人である確率は ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{11}{30}\)
  2. (B)\(\dfrac{1}{2}\)
  3. (C)\(\dfrac{3}{5}\)
  4. (D)\(\dfrac{19}{30}\)
  5. (E)\(\dfrac{2}{3}\)
  6. (F)\(\dfrac{7}{10}\)
  7. (G)\(\dfrac{3}{4}\)
  8. (H)\(\dfrac{4}{5}\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{120}\)
  2. (B)\(\dfrac{1}{12}\)
  3. (C)\(\dfrac{1}{10}\)
  4. (D)\(\dfrac{1}{8}\)
  5. (E)\(\dfrac{1}{6}\)
  6. (F)\(\dfrac{1}{5}\)
  7. (G)\(\dfrac{1}{4}\)
  8. (H)\(\dfrac{1}{3}\)
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①(D)②(E)

\(A_i\) を「\(i\) 番目の人が自分の帽子を受け取る」事象とします。指定した \(k\) 人が全員自分の帽子を受け取る確率は \((5-k)!/5!\) で、その指定の仕方は \(\binom{5}{k}\) 通りです。包除原理より \[\P\Bigl(\,\bigcup_{i=1}^{5}A_i\Bigr)=\sum_{k=1}^{5}(-1)^{k-1}\binom{5}{k}\frac{(5-k)!}{5!} =1-\frac12+\frac16-\frac1{24}+\frac1{120}=\frac{76}{120}=\frac{19}{30}.\] 余事象(誰も自分の帽子を受け取らない)の並べ方は攪乱順列 \(D_5=44\) 通りで、\(1-44/120=19/30\) と一致します。

ちょうど2人の場合は、自分の帽子を受け取る2人を \(\binom{5}{2}=10\) 通り選び、残り3人が誰も自分の帽子を受け取らない並べ方 \(D_3=2\) 通りを掛けます。 \[\frac{10\times 2}{120}=\frac16 .\] ②で \(\binom{5}{2}\cdot 3!/5!=1/2\) のように残り3人を自由に並べてしまうと、「ちょうど2人」ではなく「少なくともその2人」を数えたことになります。

「ちょうど \(k\) 人」は、該当者を選ぶ数 \(\times\) 残りの攪乱順列の数。

類題の過去問:2015-問1(1)、2001-問1(3)

問題 1.3 S 必修目安 5分

ある病気の有病率は \(0.5\%\) である。検査Tは、罹患者を確率 \(0.98\) で陽性と判定し、非罹患者を確率 \(0.97\) で陰性と判定する。

無作為に選んだ1人が検査Tで陽性と判定されたとき、その人が罹患している確率に最も近いものは ① である。さらに、同じ人に検査Tをもう一度行ったところ、再び陽性と判定された。2回の検査結果は、罹患の有無を条件として独立であるとする。このとき、その人が罹患している確率に最も近いものは ② である。

[①②共通の選択肢]

  1. (A)\(0.005\)
  2. (B)\(0.029\)
  3. (C)\(0.141\)
  4. (D)\(0.330\)
  5. (E)\(0.500\)
  6. (F)\(0.843\)
  7. (G)\(0.970\)
  8. (H)\(0.980\)
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①(C)②(F)

罹患を \(H\)、陽性を \(+\) と書きます。 \[\P(H\cond +)=\frac{0.005\times0.98}{0.005\times0.98+0.995\times0.03} =\frac{0.0049}{0.0049+0.02985}=\frac{0.0049}{0.03475}\approx0.1410 .\] 2回目は、1回目の事後確率 \(0.1410\) を事前確率として同じ計算をします(条件付き独立を仮定しているので、こう更新できます)。 \[\frac{0.1410\times0.98}{0.1410\times0.98+0.8590\times0.03}\approx\frac{0.1382}{0.1382+0.0258}\approx0.843 .\] 2回分をまとめて \(\dfrac{0.005\times0.98^2}{0.005\times0.98^2+0.995\times0.03^2}\) と計算しても同じ値になります。

(H)\(0.980\) は検査の感度そのもので、「陽性のとき罹患している確率」と「罹患しているとき陽性になる確率」を取り違えた値です。

\(\P(H\cond +)\) と \(\P(+\cond H)\) は別物。有病率が小さいと \(\P(H\cond +)\) は大きく下がる。

類題の過去問:2023-問1(1)、2021-問1(1)

問題 1.4 A 頻出目安 6分

所持金2枚の金貨で次のゲームを繰り返す。1回のゲームで、確率 \(0.4\) で金貨が1枚増え、確率 \(0.6\) で1枚減る。所持金が0枚になるか5枚になった時点で終了する。所持金が5枚に達して終了する確率に最も近いものは ① である。

  1. (A)\(0.160\)
  2. (B)\(0.190\)
  3. (C)\(0.250\)
  4. (D)\(0.308\)
  5. (E)\(0.400\)
  6. (F)\(0.444\)
  7. (G)\(0.640\)
  8. (H)\(0.810\)
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①(B)

所持金 \(i\) から5枚に達する確率を \(P_i\) とすると、最初の1回で場合分けして \[P_i=0.4\,P_{i+1}+0.6\,P_{i-1}\quad(i=1,2,3,4),\qquad P_0=0,\quad P_5=1 .\] これはギャンブラーの破産問題で、\(r=q/p=0.6/0.4=1.5\) です。公式より \[P_2=\frac{1-r^{2}}{1-r^{5}}=\frac{1-2.25}{1-7.59375}=\frac{1.25}{6.59375}=\frac{40}{211}\approx0.190 .\] (E)\(0.400\) は公平なゲームの答え \(i/N=2/5\) です。(G)\(0.640\) は、\(r\) を \(p/q\) と逆に置いたときの値です。\(p<1/2\) の不利なゲームでは \(i/N\) より小さくなるはずだと見当を付けると、検算になります。

差分 \(P_{i+1}-P_i\) が公比 \(q/p\) の等比数列になることを、自分で導けるようにしておく。

類題の過去問:2023-問4(4)

問題 1.5 A 頻出目安 7分

赤玉4個と白玉3個を無作為に1列に並べる。赤玉が連続して並ぶ部分を「赤の連」と呼ぶ(1個だけの赤玉も1つの連と数える)。

赤の連がちょうど2つである確率は ① であり、赤の連の個数の期待値は ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{4}{35}\)
  2. (B)\(\dfrac{6}{35}\)
  3. (C)\(\dfrac{12}{35}\)
  4. (D)\(\dfrac{3}{7}\)
  5. (E)\(\dfrac{18}{35}\)
  6. (F)\(\dfrac{4}{7}\)
  7. (G)\(\dfrac{24}{35}\)
  8. (H)\(\dfrac{6}{7}\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{12}{7}\)
  2. (B)\(\dfrac{13}{7}\)
  3. (C)\(2\)
  4. (D)\(\dfrac{15}{7}\)
  5. (E)\(\dfrac{16}{7}\)
  6. (F)\(\dfrac{17}{7}\)
  7. (G)\(\dfrac{18}{7}\)
  8. (H)\(3\)
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①(E)②(E)

① 並べ方は全部で \(\binom{7}{4}=35\) 通りで、同様に確からしいです。赤の連がちょうど \(k\) 個になる並べ方は、

  • 赤玉4個を空でない \(k\) 個の塊に分ける:玉の間の3か所から \(k-1\) か所を選ぶ \(\binom{3}{k-1}\) 通り

  • 白玉3個が作る4か所の隙間(両端を含む)から \(k\) か所を選んで塊を置く:\(\binom{4}{k}\) 通り

の積です。\(k=2\) なら \(3\times6=18\) 通りなので、確率は \(18/35\) です。

② 連の個数を「連の始まり」の個数として数えます。位置 \(j\) が連の始まりである事象の指示関数を \(I_j\) とすると、連の個数は \(\sum_{j=1}^{7}I_j\) です。期待値の線形性より \[\E\Bigl[\sum_j I_j\Bigr]=\P(\text{1番目が赤})+\sum_{j=2}^{7}\P(\text{$j-1$番目が白、$j$番目が赤}) =\frac47+6\times\frac37\cdot\frac46=\frac47+\frac{12}{7}=\frac{16}{7}.\] ①から \(\sum_k k\,\P(\text{連が$k$個})\) を計算しても同じです(\(k=1,2,3,4\) の並べ方は \(4,18,12,1\) 通り)。 \[\frac{1\cdot4+2\cdot18+3\cdot12+4\cdot1}{35}=\frac{80}{35}=\frac{16}{7}.\]

個数の期待値は「指示関数の和」に分解すれば、分布なしで計算できる。

類題の過去問:2023-問4(3)

問題 1.6 B 標準目安 5分

AさんとBさんは12時から13時の間に、それぞれ独立に一様分布に従う時刻に待ち合わせ場所へ着く。先に着いた人は15分だけ待ち、相手が来なければ立ち去る。

2人が会える確率は ① である。また、2人が会えたとき、2人とも12時30分までに着いていた条件付き確率は ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{4}\)
  2. (B)\(\dfrac{5}{16}\)
  3. (C)\(\dfrac{3}{8}\)
  4. (D)\(\dfrac{7}{16}\)
  5. (E)\(\dfrac{1}{2}\)
  6. (F)\(\dfrac{9}{16}\)
  7. (G)\(\dfrac{5}{8}\)
  8. (H)\(\dfrac{3}{4}\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{4}\)
  2. (B)\(\dfrac{2}{7}\)
  3. (C)\(\dfrac{1}{3}\)
  4. (D)\(\dfrac{3}{8}\)
  5. (E)\(\dfrac{3}{7}\)
  6. (F)\(\dfrac{1}{2}\)
  7. (G)\(\dfrac{4}{7}\)
  8. (H)\(\dfrac{9}{16}\)
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①(D)②(E)

到着時刻を時間単位で \(x,y\in[0,1]\) とすると、\((x,y)\) は単位正方形上の一様分布に従い、確率は面積で求まります(参考書1.5節)。会える条件は \(|x-y|\le1/4\) で、正方形から直角を挟む2辺が \(3/4\) の直角三角形2つを除いた面積は \[1-\Bigl(\frac34\Bigr)^2=\frac{7}{16}.\] 2人とも前半に着く領域 \([0,1/2]^2\) と帯の重なりは、一辺 \(1/2\) の正方形から直角を挟む2辺が \(1/4\) の直角三角形2つを除いた \(1/4-1/16=3/16\) です。よって条件付き確率は \[\frac{3/16}{7/16}=\frac37 .\] ②で(A)\(1/4\) を選ぶのは、条件を付けずに「2人とも前半」の確率を答えた場合です。

条件付きの幾何確率は「条件の領域を新しい全体」として面積比をとる。

類題の過去問:2017-問1(1)、2025-問1(2)

問題 1.7 S 必修目安 5分

AとBが交互にサイコロを1回ずつ投げ、Aが先手である。Aは6の目を出したら勝ち、Bは6の目を出したら勝ちとするとき、Aが勝つ確率は ① である。

ルールを変更し、Bは5または6の目を出したら勝ちとする(Aは6の目のみ)。このとき、Aが勝つ確率は ② である。

[①の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{2}\)
  2. (B)\(\dfrac{5}{11}\)
  3. (C)\(\dfrac{6}{11}\)
  4. (D)\(\dfrac{7}{12}\)
  5. (E)\(\dfrac{3}{5}\)
  6. (F)\(\dfrac{11}{36}\)
  7. (G)\(\dfrac{1}{6}\)
  8. (H)\(\dfrac{25}{36}\)

[②の選択肢]

  1. (A)\(\dfrac{1}{6}\)
  2. (B)\(\dfrac{1}{4}\)
  3. (C)\(\dfrac{3}{10}\)
  4. (D)\(\dfrac{1}{3}\)
  5. (E)\(\dfrac{3}{8}\)
  6. (F)\(\dfrac{2}{5}\)
  7. (G)\(\dfrac{5}{12}\)
  8. (H)\(\dfrac{1}{2}\)
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①(C)②(E)

Aの勝率を \(a\) とします。最初の1巡(A、Bの順に1回ずつ)で場合分けすると、

  • Aが1投目で勝つ:確率 \(1/6\)

  • 2人とも勝てずに1巡が終わる:確率 \(r\)。このとき状況は最初と同じに戻る

なので \(a=1/6+r\,a\)、すなわち \(a=\dfrac{1/6}{1-r}\) です。

① \(r=(5/6)^2=25/36\) より、\(a=\dfrac{1/6}{11/36}=\dfrac{6}{11}\)。

② Bが勝てない確率は \(4/6=2/3\) なので、\(r=\dfrac56\cdot\dfrac23=\dfrac{5}{9}\)。 \[a=\frac{1/6}{1-5/9}=\frac{1/6}{4/9}=\frac{3}{8}.\] 先手が有利でも、Bの勝ちやすさが2倍になると、Aの勝率は \(1/2\) を下回ります。

「1巡で決着しない確率 \(r\)」を求め、勝率 \(=\)(1巡目で勝つ確率)\(/(1-r)\)。

類題の過去問:2014-問1(1)、2019-問1(1)

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