会計・経済・投資理論 第1章 金利の期間構造と債券投資の問題
会計・経済・投資理論の第1章「金利の期間構造と債券投資」(投資理論)の問題 8問です。本番と同じ空欄補充・多肢選択の形式で、空欄ごとに(A)(B)…の記号を選びます。正解と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは記号を選ぶと自動採点され、間違えた問題を復習できます。本文は第1章の参考書にあります。
参考書 第1章に対応します。問題1.1・1.2・1.3は毎年のように出る計算の型です。最初に解いてください。問題1.5は本番の大問の後半と同じ長さの誘導問題です。
この章の問題では、とくに断らない限り、債券の額面は100円、固定利付債の利払いは年1回期末、現在は利払いの直後、利回りは年1回複利とします。債券の価格は、将来のキャッシュフローをスポット・レートで割り引いた現在価値に一致するものとします。
問題 1.1 S 必修目安 6分
今日のスポット・レートは次の表のとおりである。デフォルトは発生しないものとする。
| 期間 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 |
|---|---|---|---|---|
| スポット・レート | 0.5% | 1.1% | 1.6% | 2.0% |
(ア)クーポン・レート2.0%、残存3年の利付債の今日の価格は ① 円である。
- (A)\(98.80\)
- (B)\(100.00\)
- (C)\(101.16\)
- (D)\(101.20\)
- (E)\(101.53\)
- (F)\(102.00\)
- (G)\(104.46\)
- (H)\(106.00\)
(イ)2年後から4年後にかけてのフォワード・レート(年率)は ② である。
- (A)\(0.90\%\)
- (B)\(2.00\%\)
- (C)\(2.61\%\)
- (D)\(2.91\%\)
- (E)\(3.21\%\)
- (F)\(3.50\%\)
- (G)\(4.45\%\)
- (H)\(5.90\%\)
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①(D)②(D)
① 各時点のキャッシュフローを、その時点のスポット・レートで割り引きます。 \[P=\frac{2}{1.005}+\frac{2}{1.011^2}+\frac{102}{1.016^3}=1.9900+1.9567+97.2566=101.2034\approx101.20.\] (C)\(101.16\) は、すべてのキャッシュフローを3年のスポット・レート1.6%で割り引いた値です。(G)\(104.46\) は1年のスポット・レート0.5%ですべてを割り引いた値、(H)\(106.00\) は割り引かずに足した値です。
② \((1+r_4)^4=(1+r_2)^2(1+f_{2,4})^2\) より \[(1+f_{2,4})^2=\frac{1.020^4}{1.011^2}=\frac{1.082432}{1.022121}=1.059006,\qquad f_{2,4}=\sqrt{1.059006}-1=2.908\%\approx2.91\%.\] (H)\(5.90\%\) は平方根をとらずに2年分の合計を答えた値、(C)\(2.61\%\) は2年後から3年後、(E)\(3.21\%\) は3年後から4年後のフォワード・レートです。
\(f_{m,n}\) は \((1+r_n)^n/(1+r_m)^m\) の \(n-m\) 乗根から1を引いて求める(年率)。
類題の過去問:2024-問14(1)ア、2024-問14(1)ウ、2017-問12(2)
問題 1.2 S 必修目安 6分
今日発行される債券X・Y・Zはいずれもパー債券(価格が額面に等しい債券)で、満期とクーポン・レートは次の表のとおりである。デフォルトは発生しないものとする。
| 債券X | 債券Y | 債券Z | |
|---|---|---|---|
| 満期 | 1年 | 2年 | 3年 |
| クーポン・レート | 0.4% | 1.8% | 2.8% |
期間2年のスポット・レートは ①、期間3年のスポット・レートは ② である。
[① の選択肢]
- (A)\(1.10\%\)
- (B)\(1.79\%\)
- (C)\(1.80\%\)
- (D)\(1.81\%\)
- (E)\(1.82\%\)
- (F)\(1.83\%\)
- (G)\(2.20\%\)
- (H)\(3.25\%\)
[② の選択肢]
- (A)\(2.33\%\)
- (B)\(2.78\%\)
- (C)\(2.80\%\)
- (D)\(2.82\%\)
- (E)\(2.84\%\)
- (F)\(2.86\%\)
- (G)\(3.21\%\)
- (H)\(4.93\%\)
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①(D)②(E)
短い年限から順に割引係数を求めます(ブートストラップ法)。債券Xは1年後に100.4円を支払い、価格は100円なので \[\DF_1=\frac{100}{100.4}=0.996016 .\] 債券Yは \(100=1.8\,\DF_1+101.8\,\DF_2\) なので \[\DF_2=\frac{100-1.8\times0.996016}{101.8}=\frac{98.207171}{101.8}=0.964707,\qquad r_2=\frac{1}{\sqrt{0.964707}}-1=1.813\%\approx1.81\%.\] 債券Zは \(100=2.8\,(\DF_1+\DF_2)+102.8\,\DF_3\) なので \[\DF_3=\frac{100-2.8\times1.960723}{102.8}=\frac{94.509976}{102.8}=0.919358,\] \[r_3=0.919358^{-1/3}-1=2.842\%\approx2.84\%.\] ①の(C)\(1.80\%\)、②の(C)\(2.80\%\) はパー・レートをそのままスポット・レートとした値です。右上がりのカーブでは、スポット・レートはパー・レートより少し高くなります。①の(A)\(1.10\%\) は \((0.4\%+1.8\%)/2\) のように平均をとった値、(H)\(3.25\%\) は1年後から2年後のフォワード・レート \(\DF_1/\DF_2-1\)、②の(H)\(4.93\%\) は2年後から3年後のフォワード・レートです。
パー債券の価格の式を、短い年限から順に \(\DF_n\) について解く。
類題の過去問:2025-問14(1)ア、2023-問14(1)、2016-問12(2)
問題 1.3 S 必修目安 7分
クーポン・レート4%、残存3年、最終利回り3%の利付債がある(価格は102.83円)。
この債券の修正デュレーションは ①、コンベキシティは ② である。ここで、コンベキシティは次の式で定義する。 \[\frac{1}{P}\sum_{t}\frac{t(t+1)\,\mathit{CF}_t}{(1+y)^{t+2}}\qquad \text{($y$:最終利回り、$\mathit{CF}_t$:$t$ 年後のキャッシュフロー、$P$:価格)}\]
また、最終利回りが直ちに1%上昇したとき、修正デュレーションとコンベキシティを用いた2次の近似式で求めた価格の変化率は ③ である。
[① の選択肢]
- (A)\(2.62\)
- (B)\(2.72\)
- (C)\(2.80\)
- (D)\(2.85\)
- (E)\(2.89\)
- (F)\(2.97\)
- (G)\(3.00\)
- (H)\(3.09\)
[② の選択肢]
- (A)\(5.37\)
- (B)\(8.03\)
- (C)\(9.00\)
- (D)\(10.43\)
- (E)\(10.75\)
- (F)\(11.40\)
- (G)\(12.00\)
- (H)\(21.50\)
[③ の選択肢]
- (A)\(-2.89\%\)
- (B)\(-2.83\%\)
- (C)\(-2.80\%\)
- (D)\(-2.75\%\)
- (E)\(-2.70\%\)
- (F)\(-2.53\%\)
- (G)\(2.75\%\)
- (H)\(2.80\%\)
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①(C)②(E)③(D)
各時点のキャッシュフローの現在価値は \[\mathrm{PV}_1=\frac{4}{1.03}=3.8835,\qquad \mathrm{PV}_2=\frac{4}{1.03^2}=3.7704,\qquad \mathrm{PV}_3=\frac{104}{1.03^3}=95.1747,\] で、合計は \(P=102.8286\) 円です。
① マコーレー・デュレーションは \[\Dmac=\frac{1\times3.8835+2\times3.7704+3\times95.1747}{102.8286}=\frac{296.9483}{102.8286}=2.8878,\] 修正デュレーションは \(\Dmod=2.8878/1.03=2.8037\approx2.80\) です。(E)\(2.89\) はマコーレー・デュレーションのままの値、(B)\(2.72\) は \(1.03\) で2回割った値です。
② 定義の式に代入します。 \[\Cvx=\frac{1}{102.8286\times1.03^2}\bigl(2\times3.8835+6\times3.7704+12\times95.1747\bigr) =\frac{1172.5}{109.09}=10.748\approx10.75 .\] (B)\(8.03\) は \(t(t+1)\) の代わりに \(t^2\) を使った値、(F)\(11.40\) は \((1+y)^2\) で割り忘れた値です。
③ \(\Delta y=0.01\) を代入して \[\frac{\Delta P}{P}\approx-2.8037\times0.01+\frac12\times10.748\times0.01^2=-0.028037+0.000537=-2.750\%.\] (C)\(-2.80\%\) はデュレーションだけの近似、(E)\(-2.70\%\) は2次の項の \(\tfrac12\) を忘れた値、(B)\(-2.83\%\) はマコーレー・デュレーションを使った値です。\(y=4\%\) で計算し直した正確な変化率は \(-2.751\%\) で、近似はよく合っています。
\(\Dmod=\Dmac/(1+y)\)、\(\Delta P/P\approx-\Dmod\Delta y+\tfrac12\Cvx(\Delta y)^2\)。\(\Delta y\) は小数で入れる。
類題の過去問:2018-問12(Ⅰ)(2)、2018-問12(Ⅰ)(3)、2023-問14(2)ア
問題 1.4 A 頻出目安 6分
クーポン・レート3.0%、残存4年の利付債(最終利回り2.47%)を、今日102.00円で購入した。
単利最終利回り(償還差損益を残存年数で均等に配分する利回り)は ① である。
この債券を2年間保有し、2年後の利払い直後に101.20円で売却した。受け取ったクーポンは再投資しないものとして、購入価格と、2回のクーポンおよび売却価格から内部収益率として求めた保有期間利回り(年率)は ② である。
また、この債券を満期まで保有し、受け取ったクーポンを年1.0%(年1回複利)で満期まで再投資するときの実効利回りは ③ である。
[①②③共通 の選択肢]
- (A)\(2.07\%\)
- (B)\(2.37\%\)
- (C)\(2.41\%\)
- (D)\(2.45\%\)
- (E)\(2.47\%\)
- (F)\(2.55\%\)
- (G)\(2.94\%\)
- (H)\(3.10\%\)
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①(D)②(F)③(C)
① 償還差損 \(102-100=2\) 円を4年で割り、毎年0.5円の損とみなします。 \[\frac{3+(100-102)/4}{102}=\frac{2.5}{102}=2.451\%\approx2.45\%.\] (G)\(2.94\%\) は直接利回り \(3/102\) で、償還差損を考えていません。
② 保有期間利回りを \(r\) とすると \[102=\frac{3}{1+r}+\frac{3+101.20}{(1+r)^2}.\] \(x=1/(1+r)\) とおくと \(104.2x^2+3x-102=0\) なので \[x=\frac{-3+\sqrt{9+4\times104.2\times102}}{2\times104.2}=\frac{-3+206.2101}{208.4}=0.975096,\qquad r=2.555\%\approx2.55\%.\]
③ 4年後の金額は、クーポン3円を年1.0%で運用した元利合計と償還額の和で \[3\times\frac{1.01^4-1}{0.01}+100=3\times4.060401+100=112.1812\ \text{円}.\] よって実効利回りは \((112.1812/102)^{1/4}-1=1.099816^{1/4}-1=2.407\%\approx2.41\%\) です。再投資利回り1.0%が最終利回り2.47%より低いので、実効利回りは最終利回りを下回ります。(B)\(2.37\%\) は、クーポンを再投資しない(4年間で12円)として計算した値です。
最終利回りは「同じ率で再投資できる」前提の利回り。再投資の利回りが別に与えられたら実効利回りを計算する。
類題の過去問:2022-問14(1)ウ、2016-問12(5)、2020-問13(Ⅰ)(2)
問題 1.5 S 必修目安 12分
ある保険会社は、2年後に600百万円、4年後に600百万円を支払う負債を持っている。すべての年限の利回りは2.0%(年1回複利)で一定であり、利回りが変化するときもすべての年限で同じ幅だけ変化するものとする。
この会社は、次の2つの債券を組み合わせて、負債の時価と修正デュレーションに一致する資産ポートフォリオを構築する(イミュニゼーション)。
債券X:残存1年の割引債
債券Z:残存6年、クーポン・レート3%の利付債
債券Zの価格は105.60円、修正デュレーションは5.4833である。
(ア)負債の現在価値は ① 百万円である。
- (A)\(1{,}082.4\)
- (B)\(1{,}107.2\)
- (C)\(1{,}120.0\)
- (D)\(1{,}131.0\)
- (E)\(1{,}150.6\)
- (F)\(1{,}153.6\)
- (G)\(1{,}176.5\)
- (H)\(1{,}200.0\)
(イ)負債の修正デュレーションは ② である。
- (A)\(2.86\)
- (B)\(2.88\)
- (C)\(2.92\)
- (D)\(2.94\)
- (E)\(2.98\)
- (F)\(3.00\)
- (G)\(3.06\)
- (H)\(3.92\)
(ウ)資産ポートフォリオにおける債券Zの時価の構成割合は ③ である。
- (A)\(36.4\%\)
- (B)\(40.0\%\)
- (C)\(43.1\%\)
- (D)\(43.5\%\)
- (E)\(50.0\%\)
- (F)\(53.3\%\)
- (G)\(56.9\%\)
- (H)\(64.0\%\)
(エ)構築の直後に、すべての年限の利回りが2.0%から3.0%に上昇した。追加の売買を行わないとき、「資産の時価-負債の時価」は ④ 百万円である。
- (A)\(-27.63\)
- (B)\(-2.47\)
- (C)\(-0.25\)
- (D)\(0.00\)
- (E)\(0.25\)
- (F)\(2.47\)
- (G)\(21.38\)
- (H)\(32.36\)
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①(D)②(C)③(C)④(E)
① 2つの支払を2.0%で割り引いて足します。 \[\frac{600}{1.02^2}+\frac{600}{1.02^4}=576.7013+554.3073=1{,}131.0085\approx1{,}131.0 .\] (H)\(1{,}200.0\) は割り引かずに足した値です。
② 負債のマコーレー・デュレーションは、各支払の現在価値で重みを付けた平均の期間で \[\Dmac=\frac{2\times576.7013+4\times554.3073}{1{,}131.0085}=\frac{3{,}370.632}{1{,}131.0085}=2.9802,\] 修正デュレーションは \(2.9802/1.02=2.9218\approx2.92\) です。(E)\(2.98\) はマコーレー・デュレーションのまま、(F)\(3.00\) は現在価値で重み付けせずに期間を単純平均した値です。
③ 債券Xの修正デュレーションは \(1/1.02=0.9804\) です。Zの構成割合を \(w\) として \[w\times5.4833+(1-w)\times0.9804=2.9218 \quad\Longrightarrow\quad w=\frac{2.9218-0.9804}{5.4833-0.9804}=\frac{1.9414}{4.5029}=0.4311 .\] (G)\(56.9\%\) は債券Xの構成割合です。(D)\(43.5\%\) は②で(F)の値(3.00を1.02で割った2.94)を使った場合です。なお、すべての年限の利回りが等しいので、マコーレー・デュレーションで計算しても同じ割合になります。
④ 資産の時価 \(1{,}131.009\) 百万円のうち、債券Xに \(0.5689\times1{,}131.009=643.39\) 百万円(1年後の受取額 \(643.39\times1.02=656.26\) 百万円)、債券Zに \(0.4311\times1{,}131.009=487.62\) 百万円(\(487.62/105.60=4.6175\) 百万口)を投資しています。利回りが3.0%になると \[\begin{aligned} \text{債券Xの時価}&=\frac{656.26}{1.03}=637.14,\\ \text{債券Zの価格}&=\sum_{t=1}^{6}\frac{3}{1.03^t}+\frac{100}{1.03^6}=100.00\ \text{円}\quad(\text{クーポン・レートと利回りが等しい}),\\ \text{資産の時価}&=637.14+4.6175\times100.00=1{,}098.90,\\ \text{負債の時価}&=\frac{600}{1.03^2}+\frac{600}{1.03^4}=565.56+533.09=1{,}098.65 . \end{aligned}\] 差は \(1{,}098.90-1{,}098.65=0.25\) 百万円(正確には0.247)です。修正デュレーションが一致しているので1次の変化は打ち消し合い、資産のコンベキシティが負債より大きいぶん、わずかに資産が上回ります。(D)\(0.00\) はデュレーションによる1次の近似だけで考えた答えです。(G)\(21.38\) は全額を債券Xで、(A)\(-27.63\) は全額を債券Zで持った場合の値で、イミュニゼーションをしないと金利の変化で大きな差が出ることがわかります。
イミュニゼーションは時価と修正デュレーションを一致させる。資産のコンベキシティが大きければ、金利が動くと資産が負債をわずかに上回る。
類題の過去問:2024-問14(2)ア、2024-問14(2)イ、2021-問13(Ⅱ)(3)
問題 1.6 S 必修目安 8分
ある企業が発行する債券A・Bについて、次のことがわかっている。いずれの債券も、この企業が倒産したときだけデフォルトし、デフォルトが起きた年の年末に額面の30%が支払われ、それ以降の利払いと償還は行われない。この企業が各年に倒産する確率(その年の初めまで倒産していないという条件のもとでの確率)は毎年同じとする。今日の無リスクのスポット・レートは、期間1年が1.0%、期間2年が1.6%である。確率はすべてリスク中立確率で考える。
債券A:残存1年、クーポン・レート3%、今日の価格99.09円
債券B:残存2年、クーポン・レート4%
この企業が1年以内に倒産する確率は ①、債券Bの今日の価格は ② 円である。また、債券Bと同じ残存期間・クーポン・レートの国債の最終利回りを基準とすると、債券BのTスプレッドは ③ である。
[① の選択肢]
- (A)\(1.00\%\)
- (B)\(1.98\%\)
- (C)\(2.83\%\)
- (D)\(3.00\%\)
- (E)\(3.80\%\)
- (F)\(4.00\%\)
- (G)\(5.49\%\)
- (H)\(7.84\%\)
[② の選択肢]
- (A)\(95.31\)
- (B)\(96.65\)
- (C)\(97.94\)
- (D)\(98.40\)
- (E)\(98.96\)
- (F)\(100.00\)
- (G)\(102.87\)
- (H)\(104.71\)
[③ の選択肢]
- (A)\(0.40\%\)
- (B)\(1.59\%\)
- (C)\(2.24\%\)
- (D)\(2.97\%\)
- (E)\(3.40\%\)
- (F)\(3.92\%\)
- (G)\(4.56\%\)
- (H)\(6.15\%\)
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①(F)②(E)③(D)
① 倒産確率を \(p\) とすると、債券Aの1年後の期待キャッシュフローは \((1-p)\times103+p\times30\) で、これを1年の無リスク金利で割り引いた値が価格です。 \[99.09=\frac{103-73p}{1.01}\quad\Longrightarrow\quad 103-73p=100.0809,\qquad p=\frac{2.9191}{73}=0.03999\approx4.00\%.\] (C)\(2.83\%\) は回収額を無視して \(103(1-p)=100.0809\) から求めた値です。デフォルト時にも額面の30%が支払われることを式に入れます。
② 2年目も倒産確率は \(p=0.04\) です。各時点の期待キャッシュフローは \[\begin{aligned} \text{1年後}&:\ 0.96\times4+0.04\times30=3.84+1.20=5.04,\\ \text{2年後}&:\ 0.96^2\times104+0.96\times0.04\times30=95.8464+1.1520=96.9984 \end{aligned}\] で、価格は \[\frac{5.04}{1.01}+\frac{96.9984}{1.016^2}=4.9901+93.9674=98.9575\approx98.96\ \text{円}.\] (B)\(96.65\) は回収額を0とした値、(G)\(102.87\) は2年後の生存確率を \(0.96^2\) ではなく \(0.96\) とした値、(H)\(104.71\) はデフォルトを考えない国債の価格です。
③ 債券Bの最終利回り \(y_B\) は \(98.9575=4/(1+y_B)+104/(1+y_B)^2\) を解いて \(y_B=4.557\%\) です。同じ条件の国債の価格は \(4/1.01+104/1.016^2=104.711\) 円、最終利回りは \(1.588\%\) なので \[\text{Tスプレッド}=4.557\%-1.588\%=2.969\%\approx2.97\%.\] (G)\(4.56\%\) は債券Bの最終利回りそのもの、(B)\(1.59\%\) は国債の最終利回りです。
社債の価格=期待キャッシュフローを無リスクのスポット・レートで割り引いた値。\(t\) 年後まで生存する確率は \((1-p)^t\)。
類題の過去問:2025-問14(2)ア、2025-問14(2)イ、2023-問14(3)ア
問題 1.7 A 頻出目安 4分
債券投資に関する次の(A)~(D)の記述のうち、正しいものをすべて選び ① に解答しなさい。ただし、すべて誤っている場合は(E)を選びなさい。
- (A)順イールドのもとで金利水準が低下し、短期金利が長期金利より大きく低下して長短金利差が拡大する状況を、ブル・スティープという。
- (B)流動性プレミアム仮説のもとでは、フォワード・レートは将来のスポット・レートの予想値より低くなる。
- (C)ラダー型、バーベル型、ブレット型のポートフォリオのデュレーションが等しいとき、コンベキシティはブレット型が最も大きくなる傾向がある。
- (D)コーラブル債は、金利が低下する局面で価格の上昇が抑えられ、ネガティブ・コンベキシティを示すことがある。
- (E)該当するものがない
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①(A)(D)
(A)正しい。金利低下(ブル)で長短金利差が拡大する(スティープ化)ので、ブル・スティープです。
(B)誤り。流動性プレミアム仮説では、長期の債券の価格変動リスクに対するプレミアムが上乗せされるので、フォワード・レートは予想値より高くなります。
(C)誤り。同じデュレーションなら、コンベキシティは短期と長期の両端に分けるバーベル型が最も大きく、中期に集中するブレット型が最も小さくなります。
(D)正しい。金利が下がると発行体が償還(コール)しやすくなるので、価格は償還価格の近くで頭打ちになります。
ベア/ブルは金利水準の上昇/低下、スティープ/フラットは長短金利差の拡大/縮小を表す。用語の表は順イールドが前提。
類題の過去問:2024-問14(3)、2022-問14(2)、2018-問12(Ⅱ)
問題 1.8 A 頻出目安 6分
今日のスポット・レートは、期間1年が0.6%、期間2年が1.2%、期間3年が1.7%である。クーポン・レート2.5%、残存3年の利付債を今日の価格102.37円で購入し、1年後の利払い直後に売却する。デフォルトは発生しないものとする。
純粋期待仮説が成り立ち、1年後のスポット・レートが今日のフォワード・レートのとおりになるとき、1年後の売却価格は ① 円、1年間の保有期間利回りは ② である。
一方、1年後のスポット・レートが今日と同じ(期間1年0.6%、期間2年1.2%)であるとき、1年間の保有期間利回りは ③ である。
[① の選択肢]
- (A)\(99.86\)
- (B)\(100.00\)
- (C)\(100.49\)
- (D)\(101.04\)
- (E)\(101.89\)
- (F)\(102.37\)
- (G)\(102.57\)
- (H)\(103.21\)
[②③共通 の選択肢]
- (A)\(-1.84\%\)
- (B)\(0.19\%\)
- (C)\(0.60\%\)
- (D)\(1.20\%\)
- (E)\(1.70\%\)
- (F)\(2.44\%\)
- (G)\(2.63\%\)
- (H)\(3.10\%\)
正解と解説を見る
①(C)②(C)③(G)
① 1年後の時点で残り2つのキャッシュフロー(2年後の2.5円、3年後の102.5円)を割り引く金利は、今日のフォワード・レート \(f_{1,2}\) と \(f_{1,3}\) です。 \[1+f_{1,2}=\frac{1.012^2}{1.006}=1.018036,\qquad (1+f_{1,3})^2=\frac{1.017^3}{1.006}=1.045598 .\] よって \[P_1=\frac{2.5}{1.018036}+\frac{102.5}{1.045598}=2.4557+98.0300=100.486\approx100.49\ \text{円}.\]
② \((2.5+100.486)/102.371-1=0.600\%\) で、期間1年のスポット・レート0.6%に一致します。純粋期待仮説のもとでは、どの債券を1年間保有しても、収益率は1年の無リスク金利になります。(A)\(-1.84\%\) はクーポンを足し忘れた値です。
③ カーブが変わらないときは、今日の1年・2年のスポット・レートで割り引きます。 \[P_1'=\frac{2.5}{1.006}+\frac{102.5}{1.012^2}=2.4851+100.0836=102.569\] となり、 保有期間利回りは \((2.5+102.569)/102.371-1=2.635\%\approx2.63\%\) です。順イールドのもとでカーブが動かないと、残存期間が短くなるにつれて低い金利で割り引かれるようになり、価格が上がります(ロールダウン効果)。
今日のカーブが示す将来の金利はフォワード・レート。それどおりに実現すれば保有期間利回りは \(r_1\) に等しい。
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